メガネをかけたまま骨伝導イヤホンを付けるときは、イヤホンを先に付けて、そのあとにメガネをかけます。骨伝導イヤホンは耳の穴のすぐ前の骨(頬骨の上)に振動を伝えるパッドを密着させて音を出すので、パッドが一番内側で肌に触れていないと音が細くなり、メガネのつるを先にかけてその上にフックを乗せると、パッドが浮いて音が小さくなり、耳の上が痛くなります。イヤホンのフックを耳の付け根に沿わせ、その上からメガネのつるをかぶせる、この順番が答えです。
私たちの店には「メガネと一緒だと痛い」「音がこもる」「マスクを外すとイヤホンまで落ちる」という相談が毎週のように届きます。骨伝導イヤホンのメーカーの装着の案内、眼鏡店のフレームの説明、私たちが店頭でメガネのお客様に試していただいた3年分の記録を合わせて、順番、位置、痛くなる原因、メガネとイヤホンの選び方、マスクとの重ね方まで、この1本にまとめておきます。
骨伝導イヤホンが先、メガネは後。この順番が基本
骨伝導イヤホンは、耳の穴のすぐ前にある小さな出っ張り(耳珠)の手前、頬骨の上に振動パッドを当てて音を伝えます。パッドが肌に密着している必要があるので、イヤホンを先に付けてパッドの位置を決め、そのあとでメガネをかけます。メガネのつるはイヤホンのフックの上を通り、つるがフックを軽く押さえる形になるので、走っても外れにくくなります。逆にメガネを先にかけると、フックがつるの上に乗って耳から浮き、パッドが頬骨から離れて音が細くなり、フックとつるが耳の上で重なって1時間で痛くなります。
順番を守っても音が小さいときは、パッドの位置を見ます。こめかみに乗っていると骨に振動が伝わりにくいので、耳の穴のすぐ手前まで下げ、頬骨の一番高いところに当てます。指でパッドを軽く押して音が大きくなる場所が、その人の正しい位置です。
つるはフックの上に乗せる。下に通すのは細いフレームだけ
| 重ね方 | 向く人 | 音 | 痛くなりにくさ |
|---|---|---|---|
| イヤホンのフックが内側、つるが外側(基本) | ほとんどの人。プラスチックのフレームの人 | パッドが密着し、一番大きく聞こえる | フックが耳の付け根に沿うので痛くなりにくい |
| つるが内側、フックが外側 | つるが細いチタンや金属のフレームで、耳の後ろの掛かりが浅い人 | パッドがつるの厚み分だけ浮き、やや小さい | 耳の上でフックがつるを押すので、太いつるだと痛い |
| つるをフックの上下どちらにも重ねず、高さをずらす | フックが太いイヤホンの人 | 変わらない | 重なりが無いので一番痛くなりにくい |
基本は、イヤホンのフックを耳の付け根のいちばん奥に滑り込ませ、その上からメガネのつるをかぶせる重ね方です。フックが細いワイヤーの機種なら、つるの厚みで押さえられて動かなくなります。つるが細い金属のフレームの人だけは、つるを先に耳に掛けてフックを外側にしても音がほとんど変わらないので、痛くない方を選んでください。どちらでも耳の上が痛いなら、つるをフックより少し上か下にずらして、重なる場所を作らないのが一番効きます。
痛くなる、ずれる、音がこもる。原因と直し方
| 困りごと | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 耳の上が1時間で痛い | フックとつるが同じ場所で重なり、2つ分の厚みで耳を押している | 順番をイヤホン先に直す。つるの高さをずらす。つるの細いフレームに替える |
| こめかみが痛い | 後ろのバンドの締め付けが強い。パッドがこめかみに乗っている | パッドを耳の穴の手前まで下げる。バンドをティッシュ箱に1晩かぶせて少し広げる |
| 音が小さい、こもる | パッドが浮いている。メガネを先にかけた。髪やマスクの紐が挟まっている | イヤホンを先に付け直す。パッドを頬骨の一番高いところに当てる。髪を後ろに流す |
| 走るとずれる | フックがつるの上に乗って浮いている。汗でつるが滑る | フックを内側に。つるの先に滑り止めのゴムを付ける |
| メガネが下がる | フックがつるを押し上げ、鼻パッドが浮く | つるをフックより上に。鼻パッドを眼鏡店で調整する |
| 音漏れが増えた | パッドが浮いて音量を上げている | 位置を直して音量を下げる。骨に密着していれば音漏れは減る |
困りごとの大半は、フックとつるが耳の上の同じ場所で重なることと、パッドが頬骨から浮くことの2つから起きます。順番をイヤホン先に直し、パッドを耳の穴の手前に下げる、この2つで店頭の相談の8割は解決しています。それでも痛いときは、後ろのバンドを1晩ティッシュ箱にかぶせて広げると、側圧が弱まって楽になります。
メガネ側で変えられること。つるの細さと形
- つるの太さ:チタンや金属の細いつる(2〜3mm)は、フックと重なっても厚みが出ない。プラスチックの太いつる(5mm以上)は重なると痛くなりやすい
- つるの形:耳の後ろに深く曲がる形(縄手、スポーツ用)は、フックと同じ場所を取り合う。まっすぐに近いつるは重なりが少ない
- つるの先:先にゴムやシリコンのカバーを付けると、汗で滑らず、イヤホンを付けたまま走ってもメガネが下がらない
- 鼻パッド:イヤホンでつるが持ち上がると鼻パッドが浮くので、眼鏡店で少し高めに調整してもらう
- 予備の1本:運動用に細いつるの安いフレームをもう1つ用意する人が、店頭では一番多い解決策
メガネを新しく作るなら、つるが細くてまっすぐに近い形を選ぶと、どの骨伝導イヤホンとも重なりが小さくなります。今のメガネを変えられない人は、つるの先に滑り止めのカバーを付け、鼻パッドを高めに調整するだけで、ずれと下がりが減ります。眼鏡店に「骨伝導イヤホンと一緒に使う」と伝えると、つるの角度を合わせてくれる店も増えています。
イヤホン側で変えられること。フックの細さと形
| イヤホンの形 | メガネとの相性 | 向く人 |
|---|---|---|
| 後ろにバンドがある骨伝導(Shokz OpenRunなど) | フックがチタンの細いワイヤーで、つるの下に収まりやすい。基本の順番を守れば干渉は小さい | 走る、自転車、汗をかく運動 |
| フックが太めの骨伝導(安価な機種に多い) | つると重なると厚みが出て痛くなりやすい。つるの高さをずらす必要がある | 家や机で短時間 |
| 耳に掛けるオープンイヤー(Shokz OpenFitなど、骨伝導ではない) | フックが耳の付け根を丸く包むので、つると重なる。細いつるなら問題は少ない | 通勤、在宅の会議 |
| 耳たぶに挟むイヤーカフ型(骨伝導ではない) | 耳の上を使わないので、メガネとまったく重ならない | メガネのつるが太い人、長時間の机仕事 |
骨伝導で続けるなら、フックが細いチタンのワイヤーの機種を選ぶと、メガネのつるの下にフックが収まり、重なっても厚みが出ません。どうしても耳の上が痛い人は、骨伝導にこだわらず、耳たぶに挟むイヤーカフ型にすると、メガネとの干渉が無くなります。店頭でメガネのお客様に試していただくと、細いワイヤーの骨伝導か、イヤーカフ型のどちらかで落ち着く方がほとんどです。
マスクも一緒のとき。イヤホン、メガネ、マスクの重ね方
- 骨伝導イヤホンを付け、パッドを耳の穴の手前に合わせる(一番内側)
- メガネをかけ、つるをフックの上にかぶせる
- マスクの紐を、メガネのつるの上に掛ける(一番外側)
- マスクを外すときは、紐だけをつまんで外す。イヤホンとメガネは動かない
マスクの紐は一番外側にすると、外すときにイヤホンとメガネを巻き込みません。紐を内側にすると、マスクを外した拍子にイヤホンのフックが持ち上がって落ちるので、店頭で一番多い「イヤホンを落とした」原因になっています。マスクを1日に何度も外す人は、紐を耳ではなく後ろで留めるマスクバンドを使うと、耳の上の重なりが2つに減って楽になります。
長時間かける日の決まり。3つだけ
メガネと骨伝導イヤホンを1日中一緒に使う人は、次の3つを決めておくと、夕方の痛みが出ません。1つ目は、2時間に1回イヤホンを外して耳の上を1分休ませること。2つ目は、パッドとフックを週に1回、水で濡らして絞った布で拭くこと。汗と皮脂が残るとかぶれの原因になります。3つ目は、寝る前にイヤホンとメガネを同じ場所に置き、朝に同じ順番で付けること。順番が毎日同じなら、位置が体に覚えられて、朝の調整が要らなくなります。
イヤホンが先、パッドは耳の穴の手前、つるはフックの上
メガネをかけたまま骨伝導イヤホンを付ける方法は、イヤホンを先に付けてパッドを耳の穴のすぐ手前の頬骨に当て、そのあとでメガネをかけてつるをフックの上にかぶせ、マスクの紐は一番外側にする、この順番です。痛い、ずれる、音がこもるの原因は、フックとつるの重なりとパッドの浮きの2つで、順番と位置を直せばほぼ解決します。それでも痛いなら、つるの細いメガネか、フックの細い骨伝導か、耳たぶに挟むイヤーカフ型に替えます。
まず、今かけている順番を思い出してみてください。メガネが先だったなら、帰り道にイヤホンを先に付け直すだけで、音の大きさと耳の上の楽さが変わります。私たちの店頭でも、この順番を変えただけで「買い替えなくてよかった」と言われる方が一番多いです。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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