初めてのフルマラソンを前に、エナジージェルの棚の前で固まっていませんか。
成分表を見比べても違いが分からないのは、比べる軸が多すぎるからです。
この記事を読み終えると、レースのどの時間に何を何個飲むかまで決められます。
エナジージェルの違いは糖質、カフェイン、ミネラルの3つだけ
エナジージェルの成分表は長く見えますが、比べる軸は3つに絞れます。
糖質の量、カフェインの有無、マグネシウムなどのミネラルの有無の3つです。
糖質はエネルギーそのもので、1個あたり25g前後、100kcalから120kcal入っているものが標準です。
カフェインは眠気や疲れを感じにくくする成分で、25mgから80mgと商品で差があります。
マグネシウムは足のつりを防ぐ目的で入っていて、50mg入りのものが多いです。
アミノ酸やコラーゲンが入っている商品もありますが、レース中の失速を防ぐ目的なら、まず糖質の量で見てください。
逆に、アミノ酸が主役でカロリーが20kcal台しかない商品は、エネルギー補給には向きません。
飲む時間で分けると選ぶエナジージェルが決まる
成分から選ぼうとすると迷いますが、レースのどの時間に飲むかで分けると、選ぶ商品は自然に決まります。
スタート前、10kmごとの補給、30km過ぎの3つの場面で、それぞれ違う種類を使い分けるのが基本です。
スタート30分前は糖質だけの軽いもの
スタートの30分から60分前に、糖質が主体でカフェインの入っていないものを1個飲みます。
ここでカフェイン入りを飲むと、序盤に心拍が上がりやすくなります。
朝食をしっかり食べている場合は、半分だけにしても構いません。
10kmごとの補給は100kcal前後の糖質型
レース中は5kmから10kmごと、時間にすると45分から1時間ごとに1個が目安です。
ここで使うのは、100kcalから120kcalで糖質25g前後の、いちばん標準的なタイプです。
体の中にためておける糖質は1,500kcalから2,000kcal分しかなく、20kmから30kmで尽きます。
尽きてから飲んでも吸収に20分から30分かかるので、空腹を感じる前に飲み始めてください。
30km過ぎはカフェイン入りに切り替える
30km地点の補給だけは、カフェインが50mgから80mg入ったものにします。
脚が重くなってペースが落ちる時間帯に、疲れを感じにくくする効果を狙うためです。
カフェイン入りは1レースで1個から2個までにしておくと、胃への負担も抑えられます。
必要な個数は体重と距離から逆算する
何個持てばいいかは、体重と走る距離から計算できます。
消費カロリーは体重kg掛ける距離kmで概算し、そこから体にためてある分を引いた不足分を、1個あたりのカロリーで割ると個数が出ます。
体重60kgの人がフルマラソンを走ると、60掛ける42.195で約2,500kcalを使います。
体にためてある糖質を1,500kcalから2,000kcalとすると、不足分は500kcalから1,000kcalです。
1個100kcalから120kcalのジェルなら、計算上は5個から8個になります。
ただし体は脂肪からもエネルギーを作るので、実際には3個から5個で足りる人がほとんどです。
ハーフマラソンなら、スタート前の1個と10km地点の1個で十分です。
主なエナジージェルを1個の重さとカロリーで比較
同じ100kcalでも、1個の重さが違うとポケットの中の量が変わります。
重さに対する糖質の割合が高いものほど、少ない荷物で同じエネルギーを運べます。
比較記事で名前が多く出ていた商品を、公式サイトの表示をもとに並べます。
| 商品名 | 1個のカロリー | 1個の重さ | 糖質以外の主な成分 |
|---|---|---|---|
| Mag-on エナジージェル | 120kcal | 41g | マグネシウム50mg、味によりカフェイン25mg |
| アミノサウルス ジェル | 約110kcalから123kcal | 45g | アルギニン2,000mg、黒はカフェイン75mg |
| MAURTEN GEL 100 | 100kcal | 40g | 無味、CAF版はカフェイン100mg |
| ザバス ピットイン | 170kcal | 69g | ナトリウム、ビタミンB群、キャップ式 |
Mag-onは重さ41gに糖質30gが入っていて、割合がいちばん高い部類です。
足がつりやすい人は、マグネシウム入りのMag-onから試すのが定番になっています。
アミノサウルスは白と黒の2種類があり、カフェインが入っているのは黒だけです。
MAURTENは味がほとんど無く、走っている途中で甘いものを受けつけなくなる人に選ばれています。
ザバス ピットインはキャップ式で少しずつ飲めますが、1個69gと重いので、フルマラソンで5個持つには向きません。
お腹を壊さないエナジージェルの飲み方
レース中に気持ち悪くなる原因の多くは、ジェルそのものではなく飲み方にあります。
水と一緒に飲む、1回に1個まで、練習で必ず試すの3つを守れば、ほとんどのトラブルは防げます。
エナジージェルは糖の濃さが高いので、水無しで飲むと胃の中で吸収が遅れ、もたれます。
給水所の手前で口に入れて、給水所の水で流し込むのがいちばん楽です。
2個続けて飲むと糖質が50g近くになり、1時間の上限を超えます。
マグネシウム入りは体質によってお腹がゆるくなる人がいます。
レビューでも「Mag-onは効くけれど、2個目でお腹を下した」という声が一定数あります。
初めて使う商品は、20kmから30kmの練習走で同じ時間配分で飲んで、胃の反応を確かめてください。
キャップ式でない小袋タイプは、走りながら開けにくいので、切り口に少し切れ込みを入れておくと片手で開けられます。
レース当日までにエナジージェルで決めておく3つのこと
ここまでの内容を、当日までにやることに置き換えます。
試す日、持つ個数、入れる場所の3つを前日までに決めておけば、当日に迷うことはありません。
1. レースの3週間前までに練習で試す
候補の商品を2種類買い、20km以上の練習走で本番と同じ間隔で飲みます。
胃が受けつけなかった商品は、その場で候補から外してください。
2. 距離と体重から個数を決める
フルマラソンなら3個から5個、ハーフなら1個から2個を目安に、練習で飲めた数から決めます。
予備として1個だけ多く持つと、落としたときに慌てずに済みます。
3. どこに入れるかを決めておく
ウエストポーチ、ランニングパンツの後ろポケット、アームポーチのどれに何個入れるかを前日に決めます。
30kmで飲むカフェイン入りは、他と区別できるように別のポケットに入れておくと、走りながら探さずに済みます。
ここまで決まれば、あとは練習で試した商品を同じ時間に飲むだけです。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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