白髪に黒豆茶がいいという話を見かけて、本当かどうか確かめに来た。そんな読み方をされていると思います。先に答えを書いておきます。黒豆茶を飲んで白髪が黒く戻る、という根拠は見つかりませんでした。ただ、白髪の話を書いている記事を並べていくと、期待していい部分と、期待してはいけない部分がはっきり分かれます。その線引きと、続けるなら何をどうするかをまとめました。
黒豆茶で白髪が黒く戻る根拠は見つからない

上位に出てくる記事は、書いている人が誰であっても、揃って同じ結論を書いていました。黒豆茶を飲んだから白髪が黒くなる、とは言えない、という結論です。
丹波篠山いのうえ黒豆農園は黒豆を売っている側ですが、それでも「黒豆茶を飲めば必ず髪の毛が黒くなる」とまでは言えない、と書いています。理由として、髪が白くなるしくみが完全には解明されていないことを挙げていました。
美容サロンのブログも、黒豆茶を飲むだけで白髪が黒く戻るという明確な根拠はない、としています。予防やケアの一部として取り入れるのがおすすめ、という書き方でした。
売っている側も施術する側も同じことを書いている以上、ここは動かないと考えたほうがよさそうです。SNSで「飲んだら白髪が目立たなくなった」という投稿を見かけますが、個人の感想と、確かめられた事実は別のものになります。

じゃあ飲んでも意味がないということですか?
白髪の原因6つのうち、黒豆茶が関われるのは2つ
意味がない、という話でもありません。白髪の原因として挙げられている項目のうち、黒豆茶が関われるのは血流と栄養の2つだからです。
雑誌の美STが毛髪診断士の齋藤あきさんに聞いた記事では、白髪になる要因が6つ挙げられていました。加齢による女性ホルモン量の低下、血流と代謝の低下、抗酸化力の低下、食生活や生活習慣の乱れ、ストレス、カラーリングやシャンプーの刺激です。
このうち黒豆茶が届きそうなのは、血流の低下と、食生活の乱れのところになります。残りの4つには手が届きません。遺伝や加齢はどうにもならず、ストレスと頭皮への刺激はお茶では変わりません。
つまり黒豆茶は、6分の2に対して働くかもしれない飲み物です。この数え方で見ると、期待の大きさもだいたい見当がつきます。
記事によって「白髪に効く成分」の説明が違う
ここが調べていていちばん気になったところです。どの成分が白髪に関わるのかについて、記事ごとに言っていることが揃っていません。
| 記事 | 挙げている成分 | 説明の中身 |
|---|---|---|
| いのうえ黒豆農園 | アントシアニン | 血行が良くなり頭皮に栄養が届く |
| 夜久野物産 | ビタミンE、レシチン | 血行が良くなることでの働き |
| 美ST(毛髪診断士) | ミネラル、鉄 | 不足しがちなミネラルの補給 |
| 美容サロン | アントシアニン | 頭皮の老化をゆるやかにする |
成分の名前がここまでばらけるのは、白髪に直接効いたと確かめられた成分が無いからです。それぞれが「血のめぐりが良くなれば頭皮にも良いはず」という筋道で説明していて、出発点の成分だけが違っています。
この形の説明は間違いではありませんが、間に何段階も挟まっています。飲めば白髪に届く、という直線の話ではないところは覚えておいてください。
毛髪の専門家がしているのは、南部鉄器で淹れること
5本の中で1本だけ、他と違う角度で書いている記事がありました。毛髪診断士の齋藤あきさんは、南部鉄器の急須で淹れた黒豆茶を毎日飲んでいると紹介されています。
狙いは鉄の補給です。白髪を抑えるのに欠かせないミネラルは不足しがちなので、毎日飲むお茶で少しずつ補うという考え方でした。南部鉄器の急須を使えば鉄も一緒に取れるので、黒豆茶と合わせて一石二鳥になる、という説明です。
ここで主役になっているのは、アントシアニンではなくミネラルのほうです。黒豆茶には鉄やカルシウム、カリウムが入っていると、いのうえ黒豆農園の記事にも書かれていました。鉄が足りていない人ほど、この角度は当てはまりやすくなります。
齋藤さんが挙げている他の習慣も並べておきます。目を温めて疲れを取る、竹のピンブラシを使う、毎日みそ汁を食べる。お茶だけで完結させていない点が参考になります。
白髪は抜かない。抜くと戻る可能性が減る
黒豆茶より先に守ってほしいことがあります。見つけた白髪を抜かないでください。同じ記事で、毛髪診断士の齋藤あきさんが理由を説明しています。
白髪を抜くと毛根が傷つき、黒髪に戻りにくくなるとのことでした。抜き続けると、いずれ髪が生えてこなくなる可能性もあるそうです。1本だけなら、という気持ちは分かりますが、そこは我慢したほうがよさそうです。
もう1つ、希望のある話も紹介されていました。色素幹細胞と色素細胞が枯渇していなければ、白髪が黒髪に戻る可能性があるとのことです。抜かずにケアを続けることで、色素幹細胞が復活して黒髪に戻ることもある、と書かれていました。
抜くという行動は、この可能性を自分で減らしてしまいます。気になるなら根元から切るか、部分用の白髪染めを使ってください。
黒豆麦茶を選ぶなら原材料の順番を見る
黒豆麦茶でもいいのか、という疑問をよく見かけます。飲みやすさを取るなら黒豆麦茶、成分の量を取るなら黒豆だけの商品、という分け方になります。
黒豆麦茶は、大麦と黒豆を混ぜたお茶です。いのうえ黒豆農園の説明でも、麦とブレンドしたものは飲みやすいと書かれていました。黒豆の味に慣れていない人が最初に選ぶなら、こちらのほうが続けやすくなります。
ただし黒豆の割合はその分だけ下がります。アントシアニンもミネラルも黒豆から来ているので、量を求めるなら黒豆だけのものを選んでください。判断は簡単で、原材料表示の1番目に何が書いてあるかを見るだけです。
大麦が先に来ていれば麦茶寄り、黒大豆が先なら黒豆茶寄りになります。パッケージの商品名ではなく、裏の表示で確かめてください。
続けるなら3か月。1日2杯から3杯
それでも試したい人のために、続け方をまとめます。目安は1日2杯から3杯で、期間は3か月です。数字の出どころも書いておきます。
- 最初の1週間は1日1杯から2杯にします。食物繊維が多いので、いきなり増やすとお腹がゆるくなることがあります。
- 体調に変わりがなければ1日2杯から3杯に。朝と夕方に分けると、飲み忘れが減ります。
- 温かいまま飲みます。冷えが気になる時期に冷たいものを続けると、めぐりの話とは逆方向になります。
- 3か月は続けます。髪が伸びるサイクルを考えると、それより短い期間では見た目に出てきません。
3か月という数字は、Everlasting Greenの記事で挙げられていたものです。髪のサイクルを考えると最低でもそのくらい、という書き方でした。ここは黒豆茶に限らず、髪に関わる習慣に共通する時間の感覚になります。
あわせてやることも決めておいてください。同じ記事では、頭皮マッサージ、バランスの良い食事、質の良い睡眠と組み合わせることを勧めています。お茶1つに背負わせない形のほうが、結果として続きます。

白髪が減ることを目標にすると続きません。麦茶を黒豆茶に変えるだけ、くらいの気持ちで始めるほうが3か月もちます。
YURI多くの製品をレビューしてきたガジェットライター。資格勉強にiPad+互換ペンを愛用しています。販売店などからリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。


