買ったばかりの冷感タオルを水で濡らして首に巻いたのに、思ったほど冷えない。そう感じるときは、たいてい絞りすぎか、振っていないかのどちらかです。冷感タオルは、生地に含んだ水が蒸発するときに熱を奪う仕組みなので、生地に残す水の量と、空気に当てる動きで冷え方が決まります。水道水で全体を濡らし、滴らない程度に軽く絞って10回振り、首の両わきに当てる。この動きを覚えれば、ぬるくなっても振り直すだけで何度でも冷たさが戻ります。
冷えるのは生地の水が蒸発して熱を奪うから
冷感タオルが冷えるのは、冷却材が入っているからではありません。生地に含んだ水が空気中に蒸発するときに、周りの熱を奪う「気化熱」で冷えます。水と空気の流れさえあれば、何度でも冷たさが戻るのはこのためです。
普通のタオルを濡らしても、しばらくは冷たく感じます。冷感タオルとの違いは生地です。ポリエステルやポリエチレン、PVAという素材は、水を含みやすく、表面から蒸発しやすいように作られています。白元アースの極冷えタオルはポリエチレン51%とポリエステル49%で、100円ショップの物もほとんどがポリエステルです。
つまり、冷えるための条件は2つだけです。生地に水が残っていること、その水が空気に触れていること。この2つが崩れると、素材が何であっても冷えません。このあとの絞り方と振り方は、すべてこの条件を作るための動きです。
濡らす水は水道水で足ります。氷水で濡らすと当てた瞬間は強く冷えますが、蒸発で冷える仕組みは同じなので、しばらくすると水道水との差はなくなります。救急医が監修したウェザーニュースの記事でも、体を冷やす水は人肌程度でよく、極端に冷たい水は体が震えて熱を作ってしまうので避ける、と書かれています。お湯は蒸発が早いぶん、すぐ水が減ってぬるくなるので使いません。
絞るのは「滴らず、押すとにじむ」まで、振るのは10回
絞り加減で冷え方の半分が決まります。両手で軽くねじって、持ち上げても水が滴らず、指で押すと水がにじむところで止めます。普通のタオルを絞るときの半分の力が目安です。固く絞るほど蒸発する水が減り、ほとんど冷えなくなります。
| 絞り加減 | タオルの状態 | 冷え方 |
|---|---|---|
| 絞らない | 持つと水が滴る | 冷えるが、服と肌がびしょ濡れになる |
| 軽く絞る(目安) | 滴らず、押すとにじむ | よく冷えて、冷たさが長く続く |
| 固く絞る | 押しても水が出ない | 蒸発する水が少なく、ほとんど冷えない |
端だけ濡れていると、その部分だけ冷えて残りが生ぬるくなります。洗面器かシンクに水をため、たたんだまま10秒ほど沈めると全体がむらなく濡れます。外で水道がないときは、ペットボトルの水をタオル全体にかけるだけでも足ります。
2. 両手で軽くねじり、滴らなくなったところで止める
3. 端を両手で持ち、上下に10回振る
4. 首に一周巻くか、たたんで当てる
振るのは、生地の中の水を空気に触れさせて、蒸発を始めるためです。振らずに当てると、冷え始めるまで時間がかかります。BCN+Rの記事で紹介されている商品には「10回振るだけで冷たくなる」と案内されている物があり、この回数を目安にすれば十分です。周りに水が飛ぶので、人のいない方に向けて振ってください。
服が濡れるのが気になる人は、宏進株式会社のコラムにあるとおり、少し固めに絞ってから使います。ただし固く絞るほど冷えは弱くなるので、通勤の服装なら首の後ろに掛けるだけにする、襟の内側にハンカチを挟むなど、当て方で調整するほうが冷えを保てます。
当てる場所は首の両わき、脇の下、足の付け根
どこに当てるかで、同じタオルでも涼しさが変わります。いちばん効くのは、首の前の両わき、脇の下、足の付け根の3か所です。救急医が監修したウェザーニュースの記事と、環境省の熱中症対策の資料で、体を冷やす場所としてそろって挙げられています。皮膚のすぐ下に太い血管が通っていて、そこを流れる血液が冷えると体全体が涼しく感じます。
首に一周巻くと、両わきの血管に生地が当たり、両手も空きます。脇の下は、たたんで挟む形になるので、休憩中や座っているときに向きます。足の付け根は、座って広げて乗せる使い方になるので、家や車の中で使う場所です。
| 当てる場所 | 向く場面 | 当て方 |
|---|---|---|
| 首(前の両わき) | 通勤、外の作業、観戦、部活 | 一周巻く。前で軽く結ぶと落ちない |
| 脇の下 | 休憩中、体が熱いとき | 四つ折りにして挟む |
| 足の付け根 | 家、車の中、運動のあと | 座って広げて乗せる |
| 手のひら、手首 | 机の仕事、運転中 | 細く折って手首に巻くか、握る |
手のひらや足の裏を冷やすのも効きます。ウェザーニュースの記事では、冷えたペットボトルを手に握る方法が紹介されています。机で仕事をしているときや運転中は首を濡らしたくないので、細く折ったタオルを手首に巻く使い方が向いています。
額や頭に当てるときは、日差しで乾くのが早いので、こまめに濡らし直します。帽子の下に入れる形なら、薄くたたんで頭に乗せ、帽子で押さえます。頭からかぶれるフード付きの物なら、額と首を同時に冷やせます。
冷たさが続く時間は湿度しだい、ぬるくなったら振り直す
何分冷えるかは、商品ではなく天気で決まります。乾いた日と風のある日は長く続き、湿度の高い日と風のない室内は短くなります。蒸発が進むほど冷え、蒸発が進まないと冷えないからです。白元アースの商品ページにも「タオルの水分量が減ると効果が低下します」と書かれていて、水が減るか、蒸発できないか、このどちらかでぬるくなります。
使っている人の声では、外で使うと10〜30分ほどでぬるく感じることが多いです。ぬるくなったら外して、もう一度10回振ります。生地に水が残っていれば、それだけで冷たさが戻ります。振っても戻らないときは水が足りないので、ペットボトルの水をかけるか、水道で濡らし直します。
蒸し暑くて風のない日は、蒸発そのものが起きにくいので、振ってもあまり冷えません。そういう日は、タオルの上からうちわやハンディファンで風を送ると、蒸発が進んで冷たさが戻ります。イチオシの記事でも、タオルと肌の間に風を送る方法が紹介されています。冷房の効いた部屋に入ったら、冷房の風が当たる場所に座るだけでも違います。
持ち歩くときは、濡らして絞った物をチャック付きの袋か、付属のケースに入れます。使う直前に取り出して振るだけで冷えます。袋に入れたまま半日たつと生地の水が減っているので、使う前に水を少し足すと冷えが戻りやすいです。
乾いて硬くなっても水に浸せば戻る、洗うのは中性洗剤で手洗い
PVAという素材の冷感タオルは、乾くと折り曲げられないほど硬くなります。壊れたのではなく素材の性質で、水に1分ほど浸せば元の柔らかさに戻ります。硬いまま無理に折ると割れることがあるので、必ず濡らしてから広げてください。ポリエステルやポリエチレンの冷感タオルは、乾いても柔らかいままです。
洗い方は、白元アースの商品ページに書かれている「中性洗剤で手洗い」が基本です。汗と皮脂を残すと、においとぬめりが出るだけでなく、生地が水を含みにくくなって冷えも弱くなります。
2. 週に1回、中性洗剤を溶かした水で押し洗いする
3. 水を2回替えてすすぐ
4. 軽く絞って、風通しのよい日陰に干す
柔軟剤は使わないほうがいいです。イエコレクションの記事にも「漂白剤や柔軟剤は使用できない場合がある」とあり、柔軟剤の成分が生地の表面に残ると、水を含みにくくなります。冷えなくなったと感じたときの原因の多くは、柔軟剤か皮脂の膜です。中性洗剤で洗い直して陰干しすると戻ることがあります。
濡れたまま袋に何日も入れておくと、においとカビが出ます。白元アースの注意書きにも「ぬれたまま長時間放置しないでください」とあります。持ち歩いた日は、帰ったら袋から出して干してください。生地が薄くなって破れそう、洗ってもにおいが取れない、洗い直しても冷えが戻らない、この3つのどれかが出たら買い替えどきです。
4歳未満・発熱時・汗拭きには使わない
使ってはいけない場面が3つあります。白元アースの商品ページでは、4歳未満の乳幼児には使わない、発熱時の解熱用には使わない、と注意書きがあります。対象年齢は4歳以上です。熱があるときに首を冷やしても、病気が治るわけではありません。小さい子どもは冷えすぎても自分で外せないので、目を離さないことが前提の道具です。
大人でも、首に長く巻いたままだと冷えすぎることがあります。30分当てたら一度外して、肌の色と体の感じを確かめてください。寒気がする、肩がこる、と感じたらそれ以上は当てません。冷房の効いた室内では首に巻かず、手首に細く巻くだけで足ります。
汗を拭くのにも使わないほうがいいです。汗と皮脂が生地に入ると、ぬめりとにおいが出て、水を含みにくくなります。汗を拭くのは普通のタオル、冷感タオルは当てるだけ、と分けると冷えが長持ちします。1枚で済ませたいときは、汗を拭いたあとに水ですすいでから当て直してください。
まず家の水道で濡らし、首に巻いて30分試す
冷感タオルの濡らす使い方は、水道水で全体を濡らし、滴らない程度に軽く絞り、10回振って首の両わきに当てる、この順番です。固く絞らない、ぬるくなったら振り直す、柔軟剤を使わない、この3つを守れば夏のあいだ何度でも冷たさが戻ります。
外に持ち出す前に、家の水道で一度試してください。濡らして絞り、10回振って首に巻き、30分でどのくらいぬるくなるかを見ておくと、外で濡らし直す間隔が分かります。子どもに持たせるなら、絞り加減と振り方を一緒にやって見せてから渡すと、部活の休憩中に自分でできます。
使い終わったら水ですすいで干す。これだけで、次の日も同じ冷たさで使えます。乾いて硬くなっていても水に浸せば戻るので、捨てずに濡らしてみてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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