スーパーの棚で黒豆茶を見かけて、麦茶と何が違うのか分からないまま戻した。そんな買い方をしている人が多いお茶です。名前に「茶」と付いていますが、中身は茶葉ではなく豆で、そこが麦茶ともほうじ茶とも違うところになります。黒豆茶とは何なのか、どんな成分が入っていて、1日に何杯までなら飲んでいいのか。買う前に知っておきたい順番でまとめました。

お茶なのに、茶葉が入っていないんですか?
黒豆茶に茶葉は入っていない

黒豆茶は、黒豆を焙煎してお湯で出した飲み物です。緑茶やほうじ茶のような茶葉はまったく使っていません。だから黒豆茶にはカフェインが入っていません。
黒豆は正式には黒大豆といって、大豆の仲間になります。ふだん見かける黄色い大豆と同じ豆で、皮の色だけが違います。おせちの煮豆に使うあの黒い豆と同じものです。
皮が黒いのは、アントシアニンという色素が入っているからです。ブルーベリーの色と同じ系統の色素で、ポリフェノールの仲間になります。黄色い大豆にはこの色素がほとんどありません。黒豆茶が大豆茶ではなく黒豆茶として売られているのは、この皮の色素があるからです。
作り方はとても単純で、洗った黒豆を弱火で炒り、熱湯を注いで3分から5分待つだけです。ティーライフの記事でも、皮が破れるまで炒ってから熱湯を注ぐ手順が紹介されています。豆を炒った時点で香ばしい香りが立つので、そこまで作れば失敗しません。
麦茶との違いは、豆に入っている成分

麦茶と黒豆茶は、どちらもノンカフェインで香ばしいという点がよく似ています。違いは原料で、麦茶は大麦、黒豆茶は黒大豆から作ります。豆なので、麦茶には入っていない大豆イソフラボンや大豆サポニンが入ってきます。
味も少し違います。麦茶がすっきりした香ばしさなのに対して、黒豆茶は後から豆の甘みが来ます。Yunomi.lifeの記事では、ナッツのような甘い風味と書かれていました。麦茶が苦手だった人でも飲めることがあります。
| 項目 | 麦茶 | 黒豆茶 |
|---|---|---|
| 原料 | 大麦 | 黒大豆(黒豆) |
| カフェイン | なし | なし |
| 味の傾向 | すっきりした香ばしさ | 香ばしさと豆の甘み |
| 大豆イソフラボン | 入っていない | 入っている |
ここで気をつけたいのが、商品名が黒豆茶でも中身が黒豆だけとはかぎらない点です。大麦や杜仲などをブレンドして、黒豆は原料の一部という商品もあります。黒豆麦茶という名前の商品は、大麦と黒豆を混ぜたお茶になります。原材料表示の並び順を見れば、何が主役かはすぐ分かります。
黒豆茶に入っている5つの成分
黒豆茶から取れるのは、アントシアニン、大豆イソフラボン、大豆サポニン、カリウム、食物繊維とオリゴ糖の5つです。どれも黒豆そのものに入っている成分で、煮出したお湯のほうに溶け出してきます。
黒い皮の色素アントシアニン
皮の黒い色素です。ふるなびの記事では、黒豆のアントシアニンの中でもシアニジン3グルコシドという種類が多く、抗酸化の働きが強いと説明されています。血糖値や血管の状態、目の疲れに対する働きが研究されている成分です。
この色素は水に溶けやすいという性質があります。煮豆にすると煮汁のほうに出ていってしまうので、お茶として飲むのは理屈に合ったやり方になります。
女性ホルモンに似た大豆イソフラボン
女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持つ成分です。食品安全委員会の説明では、骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減に役立つと言われている、とされています。効くと言い切られているわけではないので、そこは冷静に見ておきたいところです。
煮出した泡に多い大豆サポニン
豆の苦みや渋みのもとになる成分です。泡立つ性質があるので、煎り豆を煮出すと泡が出てきます。この泡にサポニンが多く入っているため、取り除かずにそのまま飲むほうが取りこぼしがありません。
塩分を外に出すカリウム
体に多く入りすぎたナトリウム、つまり塩分を外に出しやすくするミネラルです。むくみが気になる人が黒豆茶を選ぶ理由の多くはここにあります。ただし利尿の働きがあるので、夜に飲むとトイレが近くなることがあります。
豆のほうに残る食物繊維とオリゴ糖
どちらも胃腸で吸収されずに大腸まで届き、腸内の善玉菌のエサになります。ただし食物繊維は、お茶のほうにはあまり出てきません。煎り豆タイプで出がらしの豆まで食べたときに取れる成分になります。
タイプは3つ。飲む場所で選ぶと外さない

家でゆっくり飲むなら煎り豆タイプ、職場ならティーバッグ、外出先ならペットボトル。この分け方でだいたい合います。成分そのものはどれも黒豆から来ているので、あとは手間と値段の差になります。
| タイプ | 出す時間 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 煎り豆 | 3〜5分か煮出し | 家で飲む。豆も食べたい |
| ティーバッグ | 1〜2分 | 職場や忙しい朝 |
| ペットボトル | なし | 外出先。まず味を試す |
もう一つ、味を左右する分かれ目があります。豆が粉砕されているかどうかです。粉砕した黒豆を使ったものは短時間で出る代わりに、湯のみの中が濁りやすく、えぐみも出やすくなります。粉砕していない豆を使ったものは出るまでに時間がかかりますが、濁らず、香りが強く残ります。
香りを取りたい人は丸ごとの豆、待ちたくない人は粉砕タイプ。この基準で選ぶと、飲んでからがっかりする確率が下がります。

煎り豆タイプは、お茶を出したあとの豆も食べられます。ごはんに炊き込んだり、ヨーグルトに入れたりする食べ方があります。
1日3杯までなら、イソフラボンの上限は届かない
黒豆茶の記事を読むと、必ず「大豆イソフラボンの上限は1日70から75mg」という数字が出てきます。この数字だけを見ると飲みすぎが心配になりますが、黒豆茶を1日3杯くらい飲んでも、この上限には届きません。数字の出どころを見ると理由が分かります。
この70から75mgという値は、内閣府食品安全委員会が決めた「大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値」です。豆腐や納豆や味噌を含めた、大豆食品ぜんぶを合わせた1日の合計に対する上限になります。
では日本人が実際にどれくらい取っているかというと、同じ食品安全委員会の資料では、平成14年の国民栄養調査から試算した摂取量の中央値が1日16から22mgと書かれています。上限の3分の1にも届いていません。
さらにもう一つ、30mgという数字が出てくることがあります。こちらは「特定保健用食品としての上乗せ摂取量の上限値」で、ふだんの食事に加えてトクホやサプリで足す分の上限です。お茶を飲む話とは別の話になります。
黒豆茶は豆そのものではなく、豆を煮出したお湯のほうを飲みます。豆を丸ごと食べるより取れる量は少なくなります。ふるなびの記事でも1日3杯程度が適量とされていて、この数字とも矛盾しません。
飲むタイミングを分けるのもおすすめです。ポリフェノールの働きが続く時間はおよそ4時間と言われています。朝と昼と夜に1杯ずつ分けたほうが、まとめて飲むより理屈に合います。
飲む前に主治医へ聞いてほしい人
大豆アレルギーがある人、カリウムを制限している人、薬を飲んでいる人は、自己判断で始めないでください。黒豆茶は食品ですが、この3つに当てはまる場合は事情が変わります。
- 大豆アレルギーがある人。黒豆は大豆の仲間なので、じんましんやかゆみが出ることがあります。
- 腎臓の機能が下がっていて、カリウムを制限している人。カリウムを外に出しにくくなっている場合があります。
- 薬を飲んでいる人。飲み合わせの心配があるため、主治医に伝えてから決めてください。
妊娠中と授乳中についても触れておきます。食品安全委員会は、妊婦がトクホやサプリで大豆イソフラボンを日常の食事に上乗せして取ることは推奨できないとしています。一方で、豆腐や納豆のような大豆食品そのものを控えたほうがよいとは書かれていません。黒豆茶は食品の側に入りますが、心配な時期であることに変わりはないので、飲む前にかかりつけの医師に聞いておくと安心して続けられます。
買うときに見る3か所
棚の前で迷ったら、原材料と、豆が粉砕されているかと、出がらしを食べるかどうかの3か所だけ見れば決まります。
- 原材料の1番目が黒大豆になっているか確かめます。大麦や杜仲が先に来ていたら、それはブレンド茶です。黒豆の香りを取りたいなら黒大豆だけの商品を選びます。
- 豆が粉砕されているかを見ます。ティーバッグの中身が粉になっていれば粉砕タイプで、短時間で出ます。丸ごとの豆なら時間はかかりますが澄んだ味になります。
- 出がらしの豆を食べたいかどうかで決めます。食べたいなら煎り豆タイプ。食物繊維やたんぱく質は、豆のほうに残っています。
最初の1袋はティーバッグで十分です。味が合うかどうかを確かめてから、煎り豆に切り替えても遅くありません。味が合わなかったときに、大袋の豆が余るほうが困ります。
飲みはじめの目安をもう一度だけ書いておきます。1日3杯まで、朝と昼と夜に分ける、夜は就寝の2時間前まで。この3つを守れば、黒豆茶とはどう付き合えばいいのかで迷うことはなくなります。

まずはティーバッグを1袋。味を確かめてから量を増やせば無駄になりません。
YURI多くの製品をレビューしてきたガジェットライター。資格勉強にiPad+互換ペンを愛用しています。販売店などからリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。


